見る
袋にはひとつの色名しか書かれていません。それを溶いてアイスダイに使うと、氷が溶けていくあいだに、布の上でいくつもの色に分かれて広がることがあります。染料の販売会社Dharma Trading Co.(ダーマ・トレーディング)は、混ぜてつくった色(混合色)を使ったアイスダイでは、氷が溶けて染料が布の中を動くあいだに、もとの純色が分かれて出てくると説明しています[1]。黒やグレー、茶のような三色・四色の混合は分かれ方が大きく、単一の染料でできた純色だけを使うと、この分かれ方はずっと控えめになる、とも述べています[2]。
この段落の根拠(2)
[1]
混合色(複数の染料を混ぜた色)は色割れを引き起こす文脈資料 範囲: アイスダイ。Dharma の反応染料
混合色を使うと、氷が溶けて染料が布の中を引かれていくあいだに、純色が分かれて出てくる、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の解説。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[2]
色割れには黒・グレー・茶のような3〜4色の混合は、分かれ方が大きい。純色だけのアイスダイは、ずっと控えめという性質がある文脈資料 範囲: アイスダイ。Dharma の反応染料
黒・グレー・茶のような3〜4色の混合はかなり劇的に分かれることがあり、純色を使ったアイスダイはずっと控えめ、としている。
限界: 染料の販売会社自身の解説。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
この場面の写真は、これから撮って載せます。氷をのせる前の白い布と、洗い出したあとの布を並べて、粉をのせた場所とその縁を撮る予定です。ソーダ灰の袋と、色名が読める向きに置いた染料の袋の写真も添えます。
問う
同じ染料の袋のそばには、たいていもうひとつ別の袋があります。ソーダ灰(炭酸ナトリウム)です。反応染料は、このソーダ灰のようなアルカリ剤がなければ布に定着しません[1]。反応染料の色は、何によって布から離れなくなるのでしょうか。この柱では、反応染料が繊維とのあいだにつくる化学結合――共有結合――を手がかりにこの問いを追い、最後に、離れなくなる途中で色が分かれる場面に戻ります。
この段落の根拠(1)
[1]
染液の中で繊維に染料を吸わせ、そのあとアルカリ剤を加えて染料と繊維を化学反応で結びつける、と説明している。
限界: 短い解説頁で、試験条件や出典の記載は無い。アルカリ剤の種類・濃度・温度・時間、加水分解への言及は無い。先にアルカリに浸す手順には触れていない。
出典:
反応染料 (一般財団法人カケンテストセンター) ・本文2文目 ・
染料と繊維の反応を促す目的でアルカリ剤の添加が必要とされ、吸尽染色法での最適pHは11〜12程度、中温染色タイプでは11.5前後とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。このpHの数値は原文『(1)吸尽染色法』の項目内の記述で、連続染色法・捺染法など他の染色法についての記載ではない。
説明する
反応染料と繊維のあいだに共有結合ができて染まる、という説明は、一般財団法人カケンテストセンターの解説、染料の販売会社Dharma、繊維機械学会誌に今田邦彦が書いた連載記事「染色技術者のための染料化学」(その3)、岩瀬商店(ソメラボ)の技術頁のあいだで内容が一致しています[1]。今田は、セルロース繊維用染料の繊維と染料の結びつき方は三つの形態に分かれ、反応染料はそのなかでもっとも結合エネルギーの高い、安定した共有結合で染まるため、水や汗、洗濯に対する堅ろう度がとくに優れると説明しています[2]。反応染料は1956年に発表された、染料の部類のなかではもっとも歴史の新しいものだともしています[3]。繊維の試験機関の別の解説も、反応染料は共有結合のため洗濯・汗・水の湿潤堅ろう度が比較的良いとしつつ、万能ではなく、長く保管するあいだに空気中の水分で染料が加水分解して色泣きが起きた報告がある、と書いています[4]。
この段落の根拠(4)
[1]
反応染料は共有結合による染着によって結びつく文脈資料 染料と繊維のあいだに共有結合が生じて染まる、と説明している。
限界: 短い解説頁で、試験条件や出典の記載は無い。結合の種類(エーテル結合など)や反応する基までは書かれていない。
出典:
反応染料 (一般財団法人カケンテストセンター) ・本文1文目 ・
反応染料はセルロース繊維に共有結合(電子を共有する結合)で恒久的に付く。この反応は、温度や周囲の pH に応じて、時間をかけて少しずつ進む、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
セルロース繊維用染料の繊維-染料間結合は3形態に分類され(文献1)、反応染料はその中で最も結合エネルギーの高い安定な共有結合で染着するため、湿潤堅牢度に非常に優れる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 結合エネルギーの具体的な数値は示されていない。
反応染料の性質をまとめた表で、結合を「共有」、性質を「アニオン(コロイド溶液となる)」としている。既存主張(反応染料は共有結合で染着する)と一致する内容。
限界: 同じ表には汗・日光堅牢度、塩素処理水堅牢度、温度等の変動への強さなど、既存主張に無い追加情報も含まれる(別途 c-iwase の対象範囲外の情報として notes に記録)。
出典:
反応染料(上級編) (岩瀬商店株式会社(ソメラボ), 2020) ・「反応染料のまとめ」の表 ・
[2]
反応染料は共有結合による染着によって結びつく文脈資料 セルロース繊維用染料の繊維-染料間結合は3形態に分類され(文献1)、反応染料はその中で最も結合エネルギーの高い安定な共有結合で染着するため、湿潤堅牢度に非常に優れる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 結合エネルギーの具体的な数値は示されていない。
[3]
反応染料には1956年に発表された、染料の部類の中で最も歴史の新しいものという性質がある文脈資料 反応染料は1956年に発表された最も歴史の新しい染料種属である、としている。発明者・企業名の記載は無い。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 発明者・企業名・国は書かれていない。
[4]
範囲: 綿などセルロース系素材、反応染料
綿などセルロース系素材では近年反応染料の使用が多くなっているとし、反応染料は染料分子中に反応基を有し繊維中の反応基と共有結合という強固な結合をするため湿潤堅ろう度(洗濯・汗・水)も比較的良好といわれているが、万能ではなく長期間の保管による空気中の水分などの影響で反応染料が加水分解し色泣きが発生することが報告されているとし、対策の一つとしてフィックス剤処理(FIX剤と呼ばれる固着剤の併用)を挙げる。
染料が繊維と結びつく経路は、大きく二つに分けられます[1]。今田は、脂肪族系のビニルスルホン(スルファトエチルスルホン)は「求核的付加反応」で、ヘテロ環系のモノクロロトリアジンは「求核的置換反応」で、それぞれセルロース繊維と結びつくとしています[2][3][2][4]。ただし、この結びつく反応は、染料が水そのものと反応してしまう「加水分解」と競い合う関係にあり、実際の染色条件では繊維との反応のほうが優勢に進む、と今田は述べています[5]。染色温度が最適な範囲より高いと加水分解が優勢になって染着率が下がり、逆に低すぎると繊維との反応が遅れて染着が足りなくなるともしています[6]。
この段落の根拠(6)
[1]
反応染料はセルロース繊維との反応機構は求核的付加反応と求核的置換反応の2種類に大別されるという仕組みで働く文脈資料 範囲: セルロース繊維
反応染料がセルロース繊維と反応する仕組みは、求核的付加反応と求核的置換反応の2種類に大きく分けられる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[2]
反応染料には反応基は化学構造から、担体が脂肪族系のもの(ビニルスルホン型)、担体がヘテロ環系のもの(トリアジン系・ピリミジン系が主)、異なる2種以上の反応基を持つ異種二官能型、の3タイプに分けられるという性質がある文脈資料 現在工業的に使用されている反応基は化学構造で、脂肪族系(ビニルスルホン型)、ヘテロ環系(トリアジン系が圧倒的に多い)、異なった2種以上の反応基を有する異種二官能型、の3タイプに分類できる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[3]
ビニルスルホン(スルファトエチルスルホン)は求核的付加反応という仕組みで働く文脈資料
範囲: セルロース繊維
スルファトエチルスルホン(ビニルスルホン)は求核的付加反応でセルロース繊維に結合する例として挙げられている(文献4)。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 反応式の図中の化学構造そのものは読めた範囲でのみ確認し、詳細な機構の説明文は限定的。
[4]
モノクロロトリアジンは求核的置換反応という仕組みで働く文脈資料
範囲: セルロース繊維
モノクロロトリアジンは求核的置換反応でセルロース繊維に結合する例として挙げられている(文献5)。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 反応式の図中の化学構造そのものは読めた範囲でのみ確認し、詳細な機構の説明文は限定的。
[5]
反応染料は加水分解(反応染料)という仕組みで働く文脈資料 範囲: セルロース繊維、実用染色条件下
染着(繊維との反応)は加水分解(水との反応)と競い合う関係にあるが、実際の染色条件では繊維との反応の方が優勢に進む、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[6]
反応染料は加水分解(反応染料)という仕組みで働く文脈資料 範囲: 吸尽染色
最適温度より高く染めると水との加水分解が優勢になり染着率が下がる一方、低く染めすぎると繊維との反応が遅れ染着が不十分になる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
この加水分解との綱引きの結果、反応染料は反応基の種類によって染まりやすい温度が違ってきます。今田は、低温染色型はおよそ40〜50℃、中温染色型は60℃、高温染色型は70〜90℃という目安を示し、反応基別では、ジクロロトリアジン(DCT)が20〜30℃でもっとも反応性が高く、モノフロロトリアジン(MFT)とビニルスルホン(VS)が40〜60℃、モノクロロトリアジン(MCT)が75〜80℃、トリクロロピリミジン(TCP)は95℃でもっとも反応性が低いとしています[1][2][3][4][5][6]。家庭のタイダイやアイスダイでよく使われるプロシオンMXは、この今田の図と表のなかで、もっとも反応性が高く染色温度がもっとも低い側、低温染色型に置かれています[7][8]。作り手向けの解説を書くPaula Burch(ポーラ・バーチ)も、プロシオンMXは環に塩素原子を二つ持つジクロロトリアジン染料とされる、と紹介し、この二つの塩素原子がセルロースの水酸基と反応する部位だとしています(染料の構造はメーカーが明かさないことが多く、文献から確かめにくい、とも断っています)[9]。Dharmaも、この冷染め用の染料は温度とpHに応じて反応がゆっくり進むと説明し、熱をかけすぎるとかえって色が結合しなくなることがあると注意しています[10]。ただし今田の数字は、染料を溶かした液に布を浸ける吸尽染色法の目安です。粉を直接のせるアイスダイの、しかも氷の温度で同じことがどこまで言えるかは、この解説からは分かりません(末尾の問いへ)。
この段落の根拠(10)
[1]
反応染料には反応性のレベルにより、低温染色型(40〜50℃)、中温染色型(60℃)、高温染色型(70〜90℃)に分類されるという性質がある文脈資料 範囲: 吸尽染色
染色温度の目安として、低温染色型:40〜50℃、中温染色型:60℃、高温染色型:70〜90℃、と示している。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[2]
ジクロロトリアジンには最適吸尽染色温度は20〜30℃で、表11に挙げられた反応基の中で最も反応性が高いとされるという性質がある文脈資料
範囲: 吸尽染色
表11では、ジクロロトリアジン(DCT)の最適吸尽染色温度は20〜30℃で、表中の反応基(DCT・DCQ・VS・FMCP・MFT・VS/MCT・MCT・TCP)の中で反応性が最も高いものとされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 表11は「市販反応染料の反応基と最適吸尽染色温度の関係」の例示表で、掲載メーカー・銘柄の当時(2002年発行)の一例。表全体(ジクロロキノキサリン DCQ、フロロメチルクロロピリミジン FMCP、ビニルスルホン/モノクロロトリアジン異種二官能型 VS/MCTを含む全8列)のうち、他資料でも参照しやすい主要な反応基のみを主張化した。
[3]
ビニルスルホン(スルファトエチルスルホン)には最適吸尽染色温度は40〜60℃。酸(pH3〜4)・弱アルカリ(pH9〜10)・熱(180℃)・酸素系漂白剤に対する繊維との結合は安定だが、強アルカリ(pH13〜14)には不安定とされるという性質がある文脈資料
範囲: 吸尽染色
表11ではビニルスルホン(VS)の最適吸尽染色温度は40〜60℃。表21ではスルファトエチルスルホン(ビニルスルホン)の繊維-染料間結合は酸(pH3〜4)○、アルカリ(pH9〜10)○、アルカリ(pH13〜14)×、熱(180℃)○、酸素系漂白剤○(○:安定、×:かなり不安定)とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 表21は「各種反応基と繊維の結合の安定性」の一覧(○:安定、△:わずかに不安定、×:かなり不安定)。安定性の評価基準(具体的な試験方法)は本文に記載が無い。
[4]
モノフロロトリアジンには最適吸尽染色温度は40〜60℃。弱アルカリ(pH9〜10)に対する繊維との結合は安定だが、酸(pH3〜4)・強アルカリ(pH13〜14)・熱(180℃)・酸素系漂白剤にはわずかに不安定とされるという性質がある文脈資料
範囲: 吸尽染色
表11ではモノフロロトリアジン(MFT)の最適吸尽染色温度は40〜60℃。表21ではモノフロロトリアジンの繊維-染料間結合は酸(pH3〜4)△、アルカリ(pH9〜10)○、アルカリ(pH13〜14)△、熱(180℃)△、酸素系漂白剤△(○:安定、△:わずかに不安定)とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 表21は「各種反応基と繊維の結合の安定性」の一覧(○:安定、△:わずかに不安定、×:かなり不安定)。安定性の評価基準(具体的な試験方法)は本文に記載が無い。
[5]
モノクロロトリアジンには最適吸尽染色温度は75〜80℃。弱アルカリ(pH9〜10)に対する繊維との結合は安定だが、酸(pH3〜4)・強アルカリ(pH13〜14)・熱(180℃)・酸素系漂白剤にはわずかに不安定とされるという性質がある文脈資料
範囲: 吸尽染色
表11ではモノクロロトリアジン(MCT)の最適吸尽染色温度は75〜80℃。表21ではモノクロロトリアジンの繊維-染料間結合は酸(pH3〜4)△、アルカリ(pH9〜10)○、アルカリ(pH13〜14)△、熱(180℃)△、酸素系漂白剤△とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 表21は「各種反応基と繊維の結合の安定性」の一覧(○:安定、△:わずかに不安定、×:かなり不安定)。安定性の評価基準(具体的な試験方法)は本文に記載が無い。
[6]
トリクロロピリミジンには最適吸尽染色温度は95℃で、表11に挙げられた反応基の中で最も反応性が低いとされる。酸(pH3〜4)・弱アルカリ(pH9〜10)・熱(180℃)に対する繊維との結合は安定だが、強アルカリ(pH13〜14)にはわずかに不安定、酸素系漂白剤にはかなり不安定とされるという性質がある文脈資料
範囲: 吸尽染色
表11ではトリクロロピリミジン(TCP)の最適吸尽染色温度は95℃で、表中の反応基の中で反応性が最も低いものとされている。表21ではトリクロロピリミジンの繊維-染料間結合は酸(pH3〜4)○、アルカリ(pH9〜10)○、アルカリ(pH13〜14)△、熱(180℃)○、酸素系漂白剤×とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 表21は「各種反応基と繊維の結合の安定性」の一覧(○:安定、△:わずかに不安定、×:かなり不安定)。安定性の評価基準(具体的な試験方法)は本文に記載が無い。
[7]
範囲: 2002年時点の市販の銘柄の比較(図8)
図8は縦軸に染色温度、横軸に反応性をとって銘柄を並べており、Procion MX は反応性が最も高く染色温度が最も低い位置にある。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)。著者自身の実験ではなく整理。統合担当(Fable)が PDF の頁画像を直接読んで追加した行で、独立検証は通していない。
[8]
範囲: 吸尽染色法での目安。2002年時点の表
表10は Procion MX を DyStar の低温染色タイプの欄に載せている。§2.5(1) は染色温度の目安を、低温染色型 40〜50℃、中温染色型 60℃、高温染色型 70〜90℃ としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)。著者自身の実験ではなく整理。統合担当(Fable)が PDF の頁画像を直接読んで追加した行で、独立検証は通していない。
[9]
プロシオンMXタイプはジクロロトリアジン系染料と説明され、環にある2つの塩素原子がセルロース繊維の-OH基と反応する部位で、この反応がジクロロトリアジン染料の非常に高い洗濯堅牢度を生む強い共有結合を作る、としている。
限界: 染料メーカーが構造を公開したがらないため、掲載する構造式は複数の情報源からの推定だと著者自身が明記している。最終更新2010年9月2日。
[10]
プロシオン染料(「プロシオン」タイプ)は共有結合の反応は温度とpHに応じて徐々に進むとし、この冷染め用染料では熱をかけすぎるとかえって色が結合しなくなることがあるとする。浸染では約105°Fが好ましく、タイダイなど長く反応させる手法でも70°F以上に保つべきだとしているという仕組みで働く文脈資料
範囲: プロシオンタイプの反応染料(Dharma Trading Co.の説明)
共有結合の反応は温度とpHに応じて徐々に進むとし、この冷染め用(プロシオンタイプ)染料では熱をかけすぎるとかえって色が結合しなくなることがある、とする。浸染では約105°Fが好ましく、タイダイ等で長く反応させる場合でも70°F未満にしてはならない、としている。
限界: 販売店自身の平易な解説記事で、専門的な出典は示されていない。温度は原文の華氏表記のまま。
繊維との反応を進めるには、アルカリ剤も要ります。カケンテストセンターは、染液のなかで繊維に染料を吸わせたあと、アルカリ剤を加えて化学反応で結びつけると説明し、今田は、pHの調整が大事でアルカリ剤の種類は問わないとしたうえで、ソーダ灰がよく使われるのは、10〜20g/L程度加えると中温染色タイプの最適染色pHとされる11.5前後になりやすいからだと述べています(吸尽染色法についての数値で、連続染色法や捺染法についての記述ではありません)[1][2]。DharmaとBurchはそろって、ソーダ灰の役割はpHを上げ、繊維の分子を染料と反応できるようにすることだと説明しています[2]。Dharmaは、あらかじめソーダ灰の液に布を浸す「前浸け」で布のpHがおよそ10.5になり、これによって反応染料が室温でも働くようになるとも述べています[3][4]。重曹(炭酸水素ナトリウム)は塩基性がずっと弱く、ほとんどの染めの処方ではソーダ灰の代わりにならない、とBurchは注意しています[5]。
この段落の根拠(5)
[1]
染液の中で繊維に染料を吸わせ、そのあとアルカリ剤を加えて染料と繊維を化学反応で結びつける、と説明している。
限界: 短い解説頁で、試験条件や出典の記載は無い。アルカリ剤の種類・濃度・温度・時間、加水分解への言及は無い。先にアルカリに浸す手順には触れていない。
出典:
反応染料 (一般財団法人カケンテストセンター) ・本文2文目 ・
染料と繊維の反応を促す目的でアルカリ剤の添加が必要とされ、吸尽染色法での最適pHは11〜12程度、中温染色タイプでは11.5前後とされている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。このpHの数値は原文『(1)吸尽染色法』の項目内の記述で、連続染色法・捺染法など他の染色法についての記載ではない。
[2]
範囲: 反応染料とセルロース繊維
ソーダ灰の目的は pH を上げることだけ。反応染料とセルロース繊維の pH を変えて染料が繊維と反応するようにし、染料を繊維に留める恒久的な結びつきを作る。繊維の分子を活性化して、染料を化学的に攻撃できるようにする、と説明している。
限界: 個人の手染め解説サイト(最終更新 2015-01-22 と表示)。出典の記載は無い。
染浴に溶かしたソーダ灰を加えて水の pH を上げると、染料の分子が繊維の分子と化学的に反応できるようになり、色が恒久的になる、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
限定: 前浸けは布の pH をおよそ 10.5 に上げる、と説明している。原文は続けて「負の水素イオンの量が増え、結合の反応がそのイオンを使う」と書いている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。「negative hydrogen ions」は化学の語として不正確に見える(水酸化物イオンのことか)。この部分は根拠にしない。lead を参照。
アルカリ剤の種類は問わないが、ソーダ灰を10〜20g/l程度加えるとpH11.5前後の最適染色pHになりやすいため、ソーダ灰がよく推奨される、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 中温染色タイプでの数値。低温・高温染色タイプでの最適pHの具体値は書かれていない。
[3]
ソーダ灰の前浸けにはpHという性質がある文脈資料
範囲: Dharma の分量(水1ガロンにソーダ灰1カップ)で
ソーダ灰の前浸けは、衣類や布の pH をおよそ 10.5 に上げる、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
水1ガロンに1カップの分量で、理想的な pH 10.5 になるはず、としている。水によって違うので pH を測ることを勧め、pH が低すぎると染料が布に十分に付かない、とも書いている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[4]
ソーダ灰の前浸けには反応染料が室温で働くようにする。熱を加えると反応を助けられるという性質がある文脈資料
ソーダ灰の液に前もって浸すことで、反応染料が室温で働くようになる。反応は熱でも助けられる、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
ソーダ灰は、染料が低い温度で繊維と結びつけるようにする、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[5]
炭酸ナトリウムの代わりに重曹を売ろうとする店に注意。重曹は塩基性がずっと弱く(pH が低く)、ほとんどの染めの処方では働かない、としている。
限界: 個人の手染め解説サイト(最終更新 2015-01-22 と表示)。出典の記載は無い。
限定: 絹では、酢か重曹をソーダ灰の代わりに使える。その場合、浸染では熱が、直接塗布では蒸しが要る、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。対象は絹。綿についての記述ではない。
限定: 重曹を使い、染めたものを電子レンジにかけてうまくいったタイダイの人もいる、と書いている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。条件や結果の詳細は書かれていない。
塩の役目は、アルカリとは別です。今田は、反応染料は直接染料より繊維への親和性が低いので無機塩を比較的多く要し、吸尽染色での推奨量は50〜80g/L程度としています[1]。Dharmaの浸染(桶で染める方法)の手順も、塩と染料で染料を布に吸わせてから、溶かしたソーダ灰を加えてpHを上げ、固着に約1時間、という順です[2]。粉を直接のせるタイダイやアイスダイでは、先にソーダ灰に浸けておく[3]。順番は違いますが、アルカリが反応の場を作るという役目は同じです。
この段落の根拠(3)
[1]
反応染料は無機塩(吸尽染色用)を必要とする文脈資料 範囲: 吸尽染色
反応染料は直接染料より分子量が小さく繊維への親和性が低いため無機塩を比較的多く必要とし、メーカー推奨量は50〜80g/l程度。親和性の高い低塩型染料なら25〜40g/l程度でも染まる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 無機塩の具体的な種類(芒硝・食塩など)ごとの違いは、この一般論の箇所では区別されていない。
[2]
反応染料は浸染では、塩と染料で染料を布に吸わせ、溶かしたソーダ灰を加えて pH を上げる。反応が十分に進んで固着するのに約1時間という仕組みで働く文脈資料 範囲: 浸染(tub dyeing)
布と一緒に塩と染料を染浴に入れると染料が布に吸われる。溶かしたソーダ灰を加えて pH を上げると色が恒久的になる。反応が十分に起きて固着するのに約1時間かかる、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[3]
ソーダ灰の前浸けには分量の例: 温水1ガロンにソーダ灰1カップ(タイダイ・アイスダイの前浸け)という性質がある文脈資料
範囲: Dharma のソーダ灰の商品頁とタイダイの手順
タイダイとアイスダイの前浸けは、温水1ガロンに1カップ、としている。無水の純品なので、量は最大25%少なくてよい場合がある、とも書いている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
染料をのせたあと、布は一定の時間置かれます。Dharmaは、タイダイでは湿ったままビニール袋に入れて最低4時間、もっとも鮮やかな色にはできれば24時間、70°F(約21℃)より低い温度ではもっと時間がかかると説明し、アイスダイでも同様に24時間置くとしています[1][2]。別の染料店(PAC Fabric Dyes)の手順は、氷が溶けきっても3時間はすすがずに置く、としています[3]。時間の根拠は、どの頁にも測定としては示されていません。この放置のあいだにセルロースの結合できる場所は染料の分子でいっぱいになるはずで、結びつかなかった余分な染料は、そのあと温水のすすぎと洗剤で洗い流す、とDharmaは述べています[4]。同社のタイダイの手順では、すすぎはまず縛ったまま冷たい流水、次にほどきながらぬるま湯で水がほぼ澄むまで、そのあとすぐ洗濯機、という順です[5]。アイスダイの手順は、冷たい流水で水がほぼ澄むまですすぎ、最後に熱い湯と染め用の洗剤で洗濯機にかける、としています[6]。
この段落の根拠(6)
[1]
範囲: タイダイ。湿ったままビニール袋に入れて置く
縛った布を湿ったままビニール袋に入れ、最低4時間、いちばん鮮やかな色にはできれば24時間置く。70°F より低い温度では、もっとかかる、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[2]
範囲: アイスダイ。桶をビニールで覆う
染料と氷をのせたら桶をビニールで覆い、氷が溶けるに任せる。暖かい所に置くと速くなる。そのまま24時間置く、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。48時間という数字は、この頁にもタイダイの手順にも出てこない。
[3]
アイスダイ(氷染め)には氷を乗せて染料をかけたあと、氷が早く溶けきっても、生地に染料を定着させるため3時間はすすがずそのままにしておくとしている(室温約32℃で氷はおよそ3時間で溶けた、という記録がある)という性質がある文脈資料 範囲: PAC FABRIC DYEのアイスダイ(タオル)
染料を振りかけたら氷が溶けるまで待つ。この日は室温約32℃で3時間くらいで全て溶けた。氷が早く溶けきってしまっても生地に染料を定着させるため、3時間はすすがずそのままにしておいてください、と説明している。
限界: 自社ブログの実演記録であり、正式な取扱説明書ではない。
出典:
アイスダイタオル (PAC FABRIC DYE, 2018) ・「染色手順」5・「※氷が早く溶けきっても...」の注記 ・
[4]
範囲: Dharma の説明
染料は最長24時間、反応に適した環境に置かれる。そのあとはセルロースの結合部位は染料の分子で飽和しているはず。結びつかなかった余分な染料は、温水のすすぎと洗剤で洗い流す、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。測定や実験は示されていない。
[5]
すすぎと洗い落としにはまず縛ったまま冷たい流水ですすぎ、次にほどきながらぬるま湯で水がほぼ澄むまですすぎ、すぐ洗濯機で一通り洗う。一度に洗うのは大人用Tシャツ8枚分くらいまでという性質がある文脈資料 範囲: タイダイ
縛ったまま冷たい流水ですすいで染料の反応を止め、次にぬるま湯でほどきながら水がほぼ澄むまですすぎ、すぐ洗濯機で一通り洗う。入れすぎると水が濁り、染めも濁る、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。「冷水で反応を止める」理由の説明は無い。
[6]
すすぎと洗い落としには冷たい流水で水がほぼ澄むまですすぎ、最後に熱い湯と染め用の洗剤で洗濯機にかけるという性質がある文脈資料 範囲: アイスダイ
冷たい流水で水がほぼ澄むまですすぎ、最後に熱い湯と染め用の洗剤で洗濯機にかける、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
結びつかなかった染料を洗い落とす工程は、色の澄み方を左右します。今田は、ソーピングの前は、繊維と反応せずに加水分解しただけの染料が繊維上に残っていて湿潤堅ろう度が悪く、これを取り除くために十分なソーピング(95〜98℃・10分ほど)が必要だと説明しています[1][2]。きちんと固着させ十分に洗い出した反応染料には、色止め剤(フィックス剤)は本来必要ないはずだ、とBurchは述べています[3]。桂屋ファイングッズ(みやこ染)も、自社の反応染料「リアクト」には染色後の色止めは不要と書いています[4]。ただし同じBurchは、水の使用に制約のある現場など一部の業界では、コストの面から十分な洗い出しの代わりにカチオン性の色止め剤を使うこともあるとも書いています[5]。要らないとする説明と、場合によっては使うという説明が、資料のなかに並んでいます。色止め剤そのものがどう染料を留めるかは、柱4「電気で寄せる」と柱7「貼り付ける」で扱います。
この段落の根拠(5)
[1]
反応染料はソーピング(反応染料の未固着染料除去)という仕組みで働く文脈資料 反応染料染色物は湿潤堅牢度が良いのが特徴だが、ソーピング前は繊維に結合しなかった加水分解染料が残っており堅牢度が悪い。これを洗い落とすため十分なソーピングが必要となる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[2]
ソーピング(反応染料の未固着染料除去)には通常は染色後の水洗・湯洗に引き続き95℃〜98℃で10分間程度行う。高温でソーピングすることが効果的で、温度管理がより重要とされるという性質がある文脈資料
染色後の水洗・湯洗のあと、通常は95〜98℃で10分ほどソーピングする。助剤も種々あるが、高温で行うことと温度管理が効果を左右する、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 「各種のソーピング助剤」の具体名は挙げられていない。
[3]
色止め剤(フィックス剤)は反応染料に使える文脈資料 範囲: 反応染料をアルカリで固着させ、十分に洗い出した場合について
きちんと固着・洗浄された反応染料の生地は、Retayneや類似品での処理を必要としないはずだ、としている。
[4]
技法用染料リアクトには染色温度は40〜60℃。熱湯や染色後の色止めは不要としているという性質がある文脈資料
染色温度は40℃〜60℃、熱湯や染色後の色止めが不要な為、手軽に染色を楽しめる、と説明している。
[5]
色止め剤(フィックス剤)は反応染料に使われる文脈資料 範囲: 反応染料の工業的な染色について
水の供給が限られる場合など、十分な洗い出しよりカチオン性色止め剤の方が安く済むことがある、としている。
反応染料の反応基には、注意すべき性質もあります。今田は、染色工場で染料の粉を秤量し溶かす工程を念頭に、この反応基が血液中のたんぱく質のアミノ基とも反応する力を持つため、未反応のまま体内に入るとアレルギーなどの感作性を示すことがあり、粉塵の吸入による呼吸器での感作は人命にかかわる事故になりうるため、大手メーカーは警告ラベルを表示していると説明しています[1]。家庭向けの染料の安全データシートの一つ(JacquardのProcion MX、Lemon Yellow)も、この種の染料は一部の人に呼吸器の感作を起こすことがあるとし、エアロゾルや粉じんの吸入を避けるよう注意しています[2]。ただし今田は、感作の懸念があるのは未反応のまま活性を保った染料に限られ、染め上がった布や染色排水のなかの染料は、すでに繊維と結合しているか加水分解しているため問題がないとも述べています[3]。
この段落の根拠(3)
[1]
反応染料には分子中の反応基は血液中のたんぱく質のアミノ基とも反応する能力があり、反応性を維持した染料が体内に取り込まれるとアミノ基と結合してアレルギーなどの感作性を示すことがある。粉塵の吸入による呼吸器での感作は人命にかかわる事故になりうるため、大手メーカーは警告ラベルを表示しているという性質がある文脈資料 範囲: 染色工場での染料の秤量・溶解工程
反応染料の反応基は血中たんぱく質のアミノ基とも反応しうるため、未反応のまま体内に入るとアレルギーなどの感作を起こすことがある。粉塵吸入による呼吸器感作は重大事故になりかねず、染色工場での秤量・溶解時の粉塵対策が要る。大手メーカーはEC指令に基づきS22(粉塵を吸わないこと)を表示している、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[2]
Procion MX(反応染料の銘柄)には推奨用途の欄で、この種の染料は一部の人に呼吸器の制限・感作を起こすことがあるとし、エアロゾルや粉じんの吸入を避けるよう勧め、喘息や呼吸器に問題のある人はこの染料を扱うべきでないとしているという性質がある文脈資料 範囲: 家庭向け染料の安全データシート(Procion MX Lemon Yellow)
推奨用途の欄で、この種の染料は一部の人に呼吸器の制限・感作を起こすことがあるとし、エアロゾルや粉じんの吸入を避けるよう勧め、喘息や呼吸器に問題のある人はこの染料を扱うべきでないとしている。
限界: 確認した4色のうち、Lemon YellowとTurquoiseのSDSには同じ注意書きがあるが、FuchsiaとJet BlackのSDSのRecommended Use欄には見当たらない。
[3]
反応染料は加水分解(反応染料)という仕組みで働く文脈資料 範囲: 染色物、染色排水
感作の懸念があるのは未反応で活性なままの染料だけで、染色物や排水中の染料はすでに繊維と結合するか加水分解しているため、反応染料染色物についてはこの点で全く問題はない、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。 「全く問題はない」という強い言い切りは原文どおり。加水分解した染料自体の毒性・環境影響については別問題として扱われておらず、この記述の範囲外。
条件を確かめる
ここまでの説明が成り立つのは、反応染料とセルロース繊維(綿・麻・レーヨンなど)の組み合わせについてです。絹や毛では話が変わります。今田は反応染料が絹や毛にも使われるとしていますが、Dharmaは、絹や毛では色がずれることがあり、真っ黒は出ず、青を含む混合色はほかの成分の色へずれると説明しています[1][2][3]。青は絹とうまく結びつかないともしています[3]。ソーダ灰については、Burchと、Dharmaのソーダ灰の商品頁は、絹には注意して使えるが、毛にはソーダ灰でなく熱や蒸気を使う酸性染料のほうがよいとしています[4]。ただしDharmaの別の頁(タイダイの手順)は、量を半分にし放置を4〜6時間までにすれば絹や毛にも使えるとしており、毛への扱いは同じ会社のなかでも割れています[4]。
この段落の根拠(4)
[1]
セルロース系繊維(綿、麻、レーヨンなど)、毛、絹に染められる、としている。
限界: 短い解説頁で、試験条件や出典の記載は無い。
出典:
反応染料 (一般財団法人カケンテストセンター) ・本文「…に染色可能」 ・
反応染料は羊毛の染色にも用いられるとし、最近では元々セルロース繊維用に開発された反応基を転用した羊毛用反応染料の新製品も出てきている、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[2]
セルロース系繊維(綿、麻、レーヨンなど)、毛、絹に染められる、としている。
限界: 短い解説頁で、試験条件や出典の記載は無い。
出典:
反応染料 (一般財団法人カケンテストセンター) ・本文「…に染色可能」 ・
反応染料は絹の染色にも用いられる、としている。
限界: 学会誌の解説記事(講義欄)で、著者自身の実験ではなく引用文献に基づく整理。引用元原論文までは遡っていない。
[3]
範囲: Dharma の反応染料
絹では色がずれることがある。青は絹とうまく結びつかず、青を含む混合色はほかの成分の色へずれる(黒は茶や栗色、紫はラズベリー、深緑は黄緑)、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
絹や毛などたんぱく質の繊維では反応染料の色がずれ、真っ黒は得られない、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
[4]
範囲: 毛については資料により扱いが分かれる(Dharma のソーダ灰商品頁は酸性染料を勧めるが、タイダイ手順頁は量を半分・放置4〜6時間までにすれば使えるとする)
絹にも使えるが、毛などほかのたんぱく質の繊維には使えない、としている。
限界: 個人の手染め解説サイト(最終更新 2015-01-22 と表示)。出典の記載は無い。
熱でのセットができないとき、絹の反応染料の固着にソーダ灰を使えるが注意が要る。前浸けは染める直前にし、放置は4〜6時間まで。毛はソーダ灰に触れると脆く感じられるので、熱や蒸気を使う酸性染料のほうがよい、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
絹や毛ではソーダ灰は布にきついので、量を半分にし、放置は4〜6時間まで。またはソーダ灰の代わりに酢と電子レンジの方法を使う、としている。
限界: 染料の販売会社自身の説明。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。
動物繊維の染めを助ける酢も、綿では役目が違います。桂屋ファイングッズは、酢は絹やウールの染めつきを助ける助剤で、綿など植物繊維の染めに入れると色止めにならず、かえって染まらなくなると注意しています[1]。Burchも、酢や塩は色止め剤ではなく、染め終えた服を浸けても染料は固着しないと述べています[2]。なぜ綿では効かないのかという化学的な理由は、どちらの資料にも書かれていませんでした。
この段落の根拠(2)
[1]
酢が使われなくなったのは綿など植物性繊維を染めるときに酢を入れても色止め剤にはならず、かえって染まらなくなるとしているのためとされる文脈資料
範囲: みやこ染の家庭用染料で綿を染める場合
酢はウールや絹など動物性繊維の染めつきを良くするための助剤で、綿など植物性繊維を染めるときに入れても色止めにはならず、染まらなくなる、と注意している。「お酢が色止め剤になる」と思って綿の染色に入れてしまった客がいる、とも書いている。
限界: 実際に問い合わせがあった事例への回答として書かれている。
出典:
色止剤 ミカノールって? (桂屋ファイングッズ株式会社, 2018) ・「それから、『お酢が色止め剤になる』と思って...」の段落 ・
[2]
酢は色止め剤(フィックス剤)と異なる文脈資料
範囲: 染めたあとの処理として
染め終えた服を塩や酢に浸けても染料は固着せず、せいぜい洗いが一回増えて余分な染料が落ちるだけ、としている。万能染料や直接染料で煮染めするとき、染浴の塩は染料を布へ寄せ、酢はナイロンや毛の染まりを助けるが、綿には効かない、とも書いている。
限界: 個人の手染め解説サイト(Page created May 21, 2006 / Last updated May 19, 2011 と表示)。出典の記載は無い。統合担当(Fable)が原文を直接読んで追加した行で、独立検証は通していない。
もう一度見る
色が分かれる現象――色割れ――について、Dharmaは、染料分子の大きさと、ソーダ灰のあるところで定着する速さが色ごとに違うことを理由に挙げています[1][2]。これはこの会社自身の説明で、独立した研究による検証ではありません。純色と混合色の見分け方や、生地の濡れ具合との関係は、記事「アイスダイの「色割れ」」で扱います。
この段落の根拠(2)
[1]
色割れは染料の分子の大きさの違い(分子の小さい純色のほうが、布の中を速く進む)によるとされる文脈資料 範囲: アイスダイ。Dharma の説明
染料の分子の大きさが違い、分子の小さい純色のほうが大きいものより速く布の中を進むため、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の解説。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。分子の大きさや速さの数値、実験は示されていない。
[2]
範囲: アイスダイ。Dharma の説明
ソーダ灰があるところで、ほかより速く定着する(strike)色があり、定着の遅い色ほど遠くまで進む、と説明している。
限界: 染料の販売会社自身の解説。独立した研究で確かめたものではない。公開日は頁内で確認できず。どの色が速いかは書かれていない。
もう一度、氷の上の粉と、溶けたあとの布の境目に戻ります。その境目は、アルカリが十分に効くpHになっていたか、染料が純色か混合色か、そして置いた時間と気温が足りていたか――この柱で確かめた条件を、ひとつずつ映しています。同じ布のなかにいくつかの色が見えたとき、それがどの条件のずれから来ているのかを見分けることが、この柱を読んだあとの見方になります。
入口(この柱にぶら下がるページ)
1. 反応染料(class-reactive)
2. ソーダ灰(炭酸ナトリウム)(aux-soda-ash)
3. Procion MX(反応染料の銘柄)(prod-procion-mx)
4. レマゾール染料(prod-remazol)
5. リアック染料(prod-tanaka-nao-reac)
6. アイスダイ(氷染め)(tech-ice-dye)
7. 色割れ(phen-colour-splitting)
8. すすぎと洗い落とし(proc-washout)
9. 染料をのせたあとの放置(キュアリング)(proc-curing)
10. 絹(fiber-silk)
問い(🧪 は家で確かめられそうなもの)
- 🧪 ソーダ灰を先に浸けるのと、あとからかけるのとで、染め上がりは違うのか
- 🧪 アイスダイで48時間置くという数字は、どこから来たのか。確かめた資料では最長24時間までしか出てきません
- 🧪 氷の温度で、低温染色タイプの反応染料はどこまで反応しているのか
- 🧪 最初に冷たい水ですすぐと「反応が止まる」というのはなぜか。実践者の説明はあるが検証はされていません
- 🧪 生地の濡れ具合で、混合色の割れ方は変わるか(Dharmaの注意を家で確かめる)
- 🧪 色止め剤は要るのか。あり/なしで色移りを比べる
- 酢を綿に入れると染まらなくなる理由は、桂屋ファイングッズもBurchも現象までしか書いておらず、機構は資料にありません。新聞コラムには逆に「昔の家庭では藍染めの色止めに塩や酢を使っていた」という言い伝えもあり、専門家の記述と食い違っています
- 🧪 色が薄く上がるとき、何が効いているのか。pH・温度・ソーダ灰の劣化など複数の候補が資料にありますが、家庭の条件でどれがどの程度効くのかは未確認です